りあむ「いや、マジよマジ!ぼくすっげー麻雀打てんのよ!」
砂塚あきら「ホントデスかそれ……またフカシなんじゃないデスか?# 炎上案件?」
りあむ「そんなことないってホントに!なんならちょっと打ってみる?やっちゃうよ?やっちゃうよ?」
辻野あかり「うーん……私は麻雀全然わからないんご……そういえばPさんはわかるって言ってましたよね?」
P(プロデューサー)「えっ俺か?わかるっても……俺も高校の頃にちょっと触ってたくらいで」
りあむ「ぼくも!ぼくも高校の頃が全盛期!でも一番イケてなかったのも高校ぅ~」
P「さりげなく自虐ぶっこむね君は……なんだったらアピールポイントになるかもだし、見てみようかな、りあむの力を」
りあむ「マジ?アピールポイントになる?ファンに認められちゃう?やばいねそれ」
あきら「自分もネトマくらいならやるんで……まあ、ちょっとやってみます?フカシじゃないってんならデスけど」
あかり「わ、私は……あ、そうだ!ちひろさんなら……」
千川ちひろ「えっ、私ですか?……まあ、できますけど」
りあむ「よっしゃ~休憩室から牌と自動卓持ってくるね~」
P「うーん、まあ休憩室で打とうか、持ってくるのもしんどいだろ」
りあむ「おっけー!」
2: 名無しさん@おーぷん 19/12/09(月)22:56:47 ID:j9B
P「……」
あきら「……」
ちひろ「……へぇ」
りあむ「おっしゃー!ぼくの勝ち!完勝!すごいっしょ?見直しちゃった?仕事増える?」
P「えっ……と、これマジ?」
あきら「……これ、プロになれるんじゃ……」
ちひろ「うん、すごいですねりあむちゃん!これはいい材料ですよ!こんなに打てるんなら麻雀関係の仕事カンタンに取れちゃいますよ!」
りあむ「でっへへーうれしいなぁ~!昔取った杵柄、今なお健在!はー……麻雀の仕事増えたらりあむちゃんさらにいろんな層にすこってもらえちゃうね!」
P「うん、いけるな……ちょっと俺、営業行ってくる」
りあむ「えっいきなり?」
ちひろ「ちょっ……まだ仕事ありますけど」
P「すいませんが……またちょっと頼みます」
ちひろ「うげ……貸しですよ、これ」
P「へへへ……ありがとうございます」タタッ
りあむ「いっちゃった……」
あきら「それにしても……りあむサン、さっきはすみません、まさか本当に強いとは……」
あかり「よくわかんなかったけどすごかった~」
りあむ「えっへへへ……なんか照れちゃうな、ぼくってホラ、こんなんだからさ……だーれも春のインハイ優勝したっても信じねえし」
あかり「んご!?インハイ優勝って……」
あきら「え、マジデスかそれ……」
あきら「……」
ちひろ「……へぇ」
りあむ「おっしゃー!ぼくの勝ち!完勝!すごいっしょ?見直しちゃった?仕事増える?」
P「えっ……と、これマジ?」
あきら「……これ、プロになれるんじゃ……」
ちひろ「うん、すごいですねりあむちゃん!これはいい材料ですよ!こんなに打てるんなら麻雀関係の仕事カンタンに取れちゃいますよ!」
りあむ「でっへへーうれしいなぁ~!昔取った杵柄、今なお健在!はー……麻雀の仕事増えたらりあむちゃんさらにいろんな層にすこってもらえちゃうね!」
P「うん、いけるな……ちょっと俺、営業行ってくる」
りあむ「えっいきなり?」
ちひろ「ちょっ……まだ仕事ありますけど」
P「すいませんが……またちょっと頼みます」
ちひろ「うげ……貸しですよ、これ」
P「へへへ……ありがとうございます」タタッ
りあむ「いっちゃった……」
あきら「それにしても……りあむサン、さっきはすみません、まさか本当に強いとは……」
あかり「よくわかんなかったけどすごかった~」
りあむ「えっへへへ……なんか照れちゃうな、ぼくってホラ、こんなんだからさ……だーれも春のインハイ優勝したっても信じねえし」
あかり「んご!?インハイ優勝って……」
あきら「え、マジデスかそれ……」
3: 名無しさん@おーぷん 19/12/09(月)23:10:25 ID:j9B
りあむ「うん!このりあむちゃんの圧倒的輝かしい過去……思い出すとちょっとやみそう……いや、アイドルの今の方が輝いてるか?やっぱやまない!うん!」
あかり「ほえ~インターハイで優勝か~すごいんご~」
あきら「インハイつったら……りあむサンの頃って、宮永照がいたんじゃないデスか?」
りあむ「うー?あー……えっと……そうだったっけ」
あきら「……え、対戦相手覚えてないとか?」
りあむ「いや!?そ、そんな……ことは……」
あかり「その顔、絶対忘れたって顔だよね」
りあむ「……はい……いや、でもね?あの頃は……そう、えっと……めっちゃ精神的に弱ってて……」
あきら「……まあ、調べりゃわかるか、りあむサンの頃のインハイ~っと」
あかり「どれどれ」
りあむ「どれどれ」
あきら「……うわ、決勝のメンツすごいな……宮永照に辻垣内智葉、荒川憩……んでりあむさん」
あかり「1位!ホントに優勝んご!」
りあむ「え~と、あー思い出した、顔怖い人と腕怖い人となんかほわっとしてる人」
あきら「……うーん、すごいことなのにあっけらかんとしてるせいですごくないように思える、# 不思議 # 夢見りあむの生態」
P「ただいま!」
あかり「へぁっ!?早!!」
ちひろ「あらPさん、随分早かったですねぇ」
P「ええ、分身端末32号に行かせたので……それと、りあむのテレビ出演が決まりました!」
りあむ「え、すげ!Pサマそれマジ!?」
P「ああ、『まーじゃんサンデー!』で有名な麻雀プロとアマチュアの対戦企画に出させてもらえることになったんだ」
あきら「すごい!人気番組じゃないデスか!」
あかり「有名なプロって、誰なんですか?」
P「ああ、あの夏のインハイで最強を誇った宮永照さんだ!」
りあむ「うぇ!?」
あかり「ほえ~インターハイで優勝か~すごいんご~」
あきら「インハイつったら……りあむサンの頃って、宮永照がいたんじゃないデスか?」
りあむ「うー?あー……えっと……そうだったっけ」
あきら「……え、対戦相手覚えてないとか?」
りあむ「いや!?そ、そんな……ことは……」
あかり「その顔、絶対忘れたって顔だよね」
りあむ「……はい……いや、でもね?あの頃は……そう、えっと……めっちゃ精神的に弱ってて……」
あきら「……まあ、調べりゃわかるか、りあむサンの頃のインハイ~っと」
あかり「どれどれ」
りあむ「どれどれ」
あきら「……うわ、決勝のメンツすごいな……宮永照に辻垣内智葉、荒川憩……んでりあむさん」
あかり「1位!ホントに優勝んご!」
りあむ「え~と、あー思い出した、顔怖い人と腕怖い人となんかほわっとしてる人」
あきら「……うーん、すごいことなのにあっけらかんとしてるせいですごくないように思える、# 不思議 # 夢見りあむの生態」
P「ただいま!」
あかり「へぁっ!?早!!」
ちひろ「あらPさん、随分早かったですねぇ」
P「ええ、分身端末32号に行かせたので……それと、りあむのテレビ出演が決まりました!」
りあむ「え、すげ!Pサマそれマジ!?」
P「ああ、『まーじゃんサンデー!』で有名な麻雀プロとアマチュアの対戦企画に出させてもらえることになったんだ」
あきら「すごい!人気番組じゃないデスか!」
あかり「有名なプロって、誰なんですか?」
P「ああ、あの夏のインハイで最強を誇った宮永照さんだ!」
りあむ「うぇ!?」
4: 名無しさん@おーぷん 19/12/09(月)23:10:55 ID:M0V
SS速報でやれ
5: 名無しさん@おーぷん 19/12/09(月)23:11:21 ID:XLz
りあむすこ
腹パンしたお
腹パンしたお
6: 名無しさん@おーぷん 19/12/09(月)23:14:19 ID:M0V
それかハーメルンでやれ
見に行くから
見に行くから
7: 名無しさん@おーぷん 19/12/09(月)23:16:20 ID:T1n
さすがにここでは伸びんで
内容が良くてもな
内容が良くてもな
8: 名無しさん@おーぷん 19/12/09(月)23:23:05 ID:j9B
ディレクター「いや~宮永プロがOKしてくれてよかったっすよ~、あのりあむってアイドル業界じゃ、悪い意味で有名人だもんで……」
宮永照「あ、そうなんですか?私あまりアイドルとか詳しくなくて……」
ディレクター「いやあね、あの子けっこう悪い癖っていうか、炎上するんですよ……ネット掲示板やらsnsやら……だから中々扱いづらくてね……」
照「へえ……」
ディレクター「まあ、今回はよく世話になる346さんたってのお願いだから断りづらくて……ほんと、ありがとうございます、宮永プロ」
照「いえそんな……大丈夫ですよ」
「また会えるのが、嬉しいですし」ボソッ
ディレクター「え?なんですって?」
照「いえ、なんでも」
ディレクター「そっすか……そんじゃ、よろしくお願いしますね、宮永プロ」
────────2年前、5月
照「……よろしくお願いします」
辻垣内智葉「よろしくお願いします」
荒川憩「よろしくね~」
夢見りあむ「あ、よろしくお願いします……」ボソボソ
照「……(どうやら、似たような顔ぶれ……だけど、この夢見って人は初めて当たる……)」
憩「起家はウチやね、ほいほいっと……」タンッ
智葉「……」タンッ
りあむ「えっと……はい」タン…
照「……(覗かせてもらうか)」タンッ
……
宮永照「あ、そうなんですか?私あまりアイドルとか詳しくなくて……」
ディレクター「いやあね、あの子けっこう悪い癖っていうか、炎上するんですよ……ネット掲示板やらsnsやら……だから中々扱いづらくてね……」
照「へえ……」
ディレクター「まあ、今回はよく世話になる346さんたってのお願いだから断りづらくて……ほんと、ありがとうございます、宮永プロ」
照「いえそんな……大丈夫ですよ」
「また会えるのが、嬉しいですし」ボソッ
ディレクター「え?なんですって?」
照「いえ、なんでも」
ディレクター「そっすか……そんじゃ、よろしくお願いしますね、宮永プロ」
────────2年前、5月
照「……よろしくお願いします」
辻垣内智葉「よろしくお願いします」
荒川憩「よろしくね~」
夢見りあむ「あ、よろしくお願いします……」ボソボソ
照「……(どうやら、似たような顔ぶれ……だけど、この夢見って人は初めて当たる……)」
憩「起家はウチやね、ほいほいっと……」タンッ
智葉「……」タンッ
りあむ「えっと……はい」タン…
照「……(覗かせてもらうか)」タンッ
……
9: 名無しさん@おーぷん 19/12/09(月)23:30:30 ID:j9B
憩「ツモ、2000オールです」タンッ
智葉「はい」ジャラ
りあむ「……はい」ジャラ
照「はい」ジャラ
照「……(おかしい……他の2人は見えたけど……夢見って人はモヤがかかったような……)」
憩「連チャンや~」タンッ
照「(ならばもう1回……見る!)」
……
りあむ「あ、ロンです、8000」パタタタッ
照「っ!はい……」ジャラ
照「(わ、わからない……全く……見えない……)」
智葉「……(高校生王者(インハイチャンピオン)……調子が悪いようだな、好都合だ)」
憩「……(あら~?宮永照が振るなんて珍しいこともあるもんやなぁ)」
りあむ「……」
……
そのまま夢見りあむのペースは崩れず、結局1位は夢見りあむ、2位に辻垣内智葉、宮永照は3位となった……
────────
照「……リベンジ……かな」
照「……少し楽しみだ」
智葉「はい」ジャラ
りあむ「……はい」ジャラ
照「はい」ジャラ
照「……(おかしい……他の2人は見えたけど……夢見って人はモヤがかかったような……)」
憩「連チャンや~」タンッ
照「(ならばもう1回……見る!)」
……
りあむ「あ、ロンです、8000」パタタタッ
照「っ!はい……」ジャラ
照「(わ、わからない……全く……見えない……)」
智葉「……(高校生王者(インハイチャンピオン)……調子が悪いようだな、好都合だ)」
憩「……(あら~?宮永照が振るなんて珍しいこともあるもんやなぁ)」
りあむ「……」
……
そのまま夢見りあむのペースは崩れず、結局1位は夢見りあむ、2位に辻垣内智葉、宮永照は3位となった……
────────
照「……リベンジ……かな」
照「……少し楽しみだ」
10: 名無しさん@おーぷん 19/12/09(月)23:37:21 ID:j9B
P「どうだ!?すごいだろ!?」
りあむ「この短い時間でよくそんなん取り付けたなぁ……」
P「いやそこかよ!」
あきら「今ちょうど、宮永プロの話してたんデスよ」
P「へえ、そうなの?」
あきら「ええ」
あかり「実はりあむちゃん、その宮永って人に勝ったらしいんですよ~」
P「えっ」
りあむ「へっへへ、そうらしいんだよ、忘れてたけど」
P「ま、マジで~!?」
りあむ「まーだから、その番組もドッカンドッカン盛り上がってぼくの人気がまた急上昇間違いなし!だ!」
────────収録本番の日
りあむ「やむぅ……めっちゃやむぅ……怖いよ~Pサマ~なんでこんなでかい番組なんだよぉ~!吐きそう……」
P「りあむ……あの自信はどうしたよ……」
りあむ「だって……麻雀の番組ったってそこまでじゃあないだろって思ってて……ぼくまだあんまり有名じゃないし……」
P「まあそうだが……でも逆に考えるんだ、これはチャンスだ!この番組を足がかりにさらにいろんなところへ羽ばたいていけるはずだ!」
りあむ「そ、そうかなぁ……うぅ~やみそうだけど、ぼくがんばる……」
P「よっしゃ、いってこい!」
りあむ「この短い時間でよくそんなん取り付けたなぁ……」
P「いやそこかよ!」
あきら「今ちょうど、宮永プロの話してたんデスよ」
P「へえ、そうなの?」
あきら「ええ」
あかり「実はりあむちゃん、その宮永って人に勝ったらしいんですよ~」
P「えっ」
りあむ「へっへへ、そうらしいんだよ、忘れてたけど」
P「ま、マジで~!?」
りあむ「まーだから、その番組もドッカンドッカン盛り上がってぼくの人気がまた急上昇間違いなし!だ!」
────────収録本番の日
りあむ「やむぅ……めっちゃやむぅ……怖いよ~Pサマ~なんでこんなでかい番組なんだよぉ~!吐きそう……」
P「りあむ……あの自信はどうしたよ……」
りあむ「だって……麻雀の番組ったってそこまでじゃあないだろって思ってて……ぼくまだあんまり有名じゃないし……」
P「まあそうだが……でも逆に考えるんだ、これはチャンスだ!この番組を足がかりにさらにいろんなところへ羽ばたいていけるはずだ!」
りあむ「そ、そうかなぁ……うぅ~やみそうだけど、ぼくがんばる……」
P「よっしゃ、いってこい!」
11: 名無しさん@おーぷん 19/12/09(月)23:46:44 ID:j9B
りあむ「……(なんでこんなことになってんだっけ……)」
りあむ「……(あ、そっか……麻雀か……)」
────────夢見りあむ、高校1年生の頃
りあむ「……」
その頃のりあむは、中学時代に受けたハブり、無視によって精神的に参っていた
適当な高校を選ぶと知らない人ばかりで馴染めず、また孤独に陥っていた
りあむ「……」ポチポチ
そんな彼女が熱心にやっていたのはネット掲示板、sns、そしてネット麻雀であった
1人の時間をネトマにつぎ込みレートは最上級になった
ネット掲示板でくだらないスレを建てると潰れるだけだが、ネトマなら常に3人の人と繋がっている
むしろその頃のりあむにとってはネトマの方が夢中になれるものだった
そんなある日のこと
担任教師「今日はなんで呼び出されたかわかるか?」
りあむ「え、えっと……」
担任教師「……お前が部活に入ってないからだ」
りあむ「あ、はぁ……すいません……」
担任教師「部活に入らないなら入らないなりにその旨を提出してくんないとダメだぞ?わかった?」
りあむ「はい……」
担任教師「……そういや、夢見はネット麻雀よくやってるんだっけ」
りあむ「え?……はい」
担任教師「……だったら、麻雀部でも入るか?俺が顧問だから手続き楽だし」
それが、りあむが本格的に麻雀をやり始めるきっかけであった
りあむ「……(あ、そっか……麻雀か……)」
────────夢見りあむ、高校1年生の頃
りあむ「……」
その頃のりあむは、中学時代に受けたハブり、無視によって精神的に参っていた
適当な高校を選ぶと知らない人ばかりで馴染めず、また孤独に陥っていた
りあむ「……」ポチポチ
そんな彼女が熱心にやっていたのはネット掲示板、sns、そしてネット麻雀であった
1人の時間をネトマにつぎ込みレートは最上級になった
ネット掲示板でくだらないスレを建てると潰れるだけだが、ネトマなら常に3人の人と繋がっている
むしろその頃のりあむにとってはネトマの方が夢中になれるものだった
そんなある日のこと
担任教師「今日はなんで呼び出されたかわかるか?」
りあむ「え、えっと……」
担任教師「……お前が部活に入ってないからだ」
りあむ「あ、はぁ……すいません……」
担任教師「部活に入らないなら入らないなりにその旨を提出してくんないとダメだぞ?わかった?」
りあむ「はい……」
担任教師「……そういや、夢見はネット麻雀よくやってるんだっけ」
りあむ「え?……はい」
担任教師「……だったら、麻雀部でも入るか?俺が顧問だから手続き楽だし」
それが、りあむが本格的に麻雀をやり始めるきっかけであった
12: 名無しさん@おーぷん 19/12/09(月)23:50:51 ID:305
見てるぞ
13: 名無しさん@おーぷん 19/12/09(月)23:53:43 ID:305
面白いぞ
また来るから
気長にやってクレメンス
また来るから
気長にやってクレメンス
14: 名無しさん@おーぷん 19/12/09(月)23:53:45 ID:j9B
その学校の麻雀部は小規模で、ほとんど同好会に近いものだった
メンツはギリギリ、りあむが入る以前は顧問であるりあむの担任教師がメンバーとして入っていた
りあむ「ツモです、6000オール」
先輩A「うわ、マジかよ!」
先輩B「すげーな夢見」
先輩C「先生よりつえーじゃん」
りあむ「えへへ……」
その生のコミュニケーションが、りあむにはとても新鮮で、心地よかった
しかし、先輩たちはその年で卒業し、新入部員も入ってこずりあむはまた一人となった
顧問「……夢見、2人打ちはもう飽きたか」
りあむ「い、いや……そんなことはないですよ」
顧問「……次こそ、入ってくるといいな、新入部員」
りあむ「……はい」
しかし、次の年も新入部員は来ず、りあむが3年になった時、夏での廃部が決定した
顧問「残念だった……とても、残念だ」
りあむ「……」
顧問「なぁ、夢見……最後の思い出作りにさ、大会に出たいと思わないか?」
りあむ「え……?」
顧問「地区予選の個人戦、なんとか無理言って出場枠もらってきたんだ、お前けっこう打てるから、いいとこいくんじゃないかってな」
りあむ「先生……!で、出ます、ぼく出ます!」
顧問「よっしゃ、そんじゃやってやろうぜ」
メンツはギリギリ、りあむが入る以前は顧問であるりあむの担任教師がメンバーとして入っていた
りあむ「ツモです、6000オール」
先輩A「うわ、マジかよ!」
先輩B「すげーな夢見」
先輩C「先生よりつえーじゃん」
りあむ「えへへ……」
その生のコミュニケーションが、りあむにはとても新鮮で、心地よかった
しかし、先輩たちはその年で卒業し、新入部員も入ってこずりあむはまた一人となった
顧問「……夢見、2人打ちはもう飽きたか」
りあむ「い、いや……そんなことはないですよ」
顧問「……次こそ、入ってくるといいな、新入部員」
りあむ「……はい」
しかし、次の年も新入部員は来ず、りあむが3年になった時、夏での廃部が決定した
顧問「残念だった……とても、残念だ」
りあむ「……」
顧問「なぁ、夢見……最後の思い出作りにさ、大会に出たいと思わないか?」
りあむ「え……?」
顧問「地区予選の個人戦、なんとか無理言って出場枠もらってきたんだ、お前けっこう打てるから、いいとこいくんじゃないかってな」
りあむ「先生……!で、出ます、ぼく出ます!」
顧問「よっしゃ、そんじゃやってやろうぜ」
15: 名無しさん@おーぷん 19/12/10(火)00:02:25 ID:EoQ
────────地区予選個人戦
強豪校有力選手A「……ま、マジか……」
強豪校有力選手B「……完敗だ……」
強豪校有力選手C「……くっ……」
りあむ「か、勝っちゃった……」
顧問「……マジかよ……」
────────春のインターハイ、個人戦決勝
りあむ「……(う~この人たちなんか威圧感すげ~やみそう~)」
照「……」 智葉「……」 憩「……」
りあむ「……(あれ、でも何かやっぱ打てるな、ぼく)」
照「……ありがとう……ございました……」
智葉「……ありがとうございました」
憩「うーん残念……ありがとうございました」
りあむ「……あ、ありがとうございました……!」
……
顧問「すげえ!感動したぜ!」
りあむ「うん!ぼくも!」
顧問「いや~これで見直してくんねぇかなぁ、廃部の件も……」
りあむ「えへへ……」
────────夏
顧問「くそぉ……なぁにがもっと早く結果を出してくれれば、だよ……すまねぇな夢見……」
りあむ「ううん、先生が謝ることじゃないよ」
顧問「……まあ、また普通に打とうぜ」
りあむ「……うん」
しかし、りあむはこの後不登校気味になり、そのまま進学も就職もせずに卒業する
この裏にはいじめがあったとも推測されているが、真相は定かではない
強豪校有力選手A「……ま、マジか……」
強豪校有力選手B「……完敗だ……」
強豪校有力選手C「……くっ……」
りあむ「か、勝っちゃった……」
顧問「……マジかよ……」
────────春のインターハイ、個人戦決勝
りあむ「……(う~この人たちなんか威圧感すげ~やみそう~)」
照「……」 智葉「……」 憩「……」
りあむ「……(あれ、でも何かやっぱ打てるな、ぼく)」
照「……ありがとう……ございました……」
智葉「……ありがとうございました」
憩「うーん残念……ありがとうございました」
りあむ「……あ、ありがとうございました……!」
……
顧問「すげえ!感動したぜ!」
りあむ「うん!ぼくも!」
顧問「いや~これで見直してくんねぇかなぁ、廃部の件も……」
りあむ「えへへ……」
────────夏
顧問「くそぉ……なぁにがもっと早く結果を出してくれれば、だよ……すまねぇな夢見……」
りあむ「ううん、先生が謝ることじゃないよ」
顧問「……まあ、また普通に打とうぜ」
りあむ「……うん」
しかし、りあむはこの後不登校気味になり、そのまま進学も就職もせずに卒業する
この裏にはいじめがあったとも推測されているが、真相は定かではない
16: 名無しさん@おーぷん 19/12/10(火)00:16:10 ID:EoQ
りあむ「……打つの、あの時以来か……」
P「ん、どした?」
りあむ「いんや、なんでもない……がんばってくるね、Pサマ」
P「おう、がんばれよ!」
────────
安部菜々「さあやって参りましたまーじゃんサンデー!の人気企画、『プロとの対決!』のコーナーです!司会は私、安部菜々でお送りします!」
菜々「今回のゲストは、私も所属する346プロから新進気鋭のアイドル、夢見りあむちゃんが来てくれましたー!」
りあむ「ど、どうも~!ファンのみんな、楽しみにしてくれてたか~!」
菜々「さあ、対戦してくださるプロは……あの全国の高校生の熱い祭典、夏のインターハイで王者とも呼ばれたあの方です!宮永照プロの登場だー!」
照「よろしくお願いします」営業スマイルニコッ
りあむ「(うっ……もうすごい威圧感……)」
照「……お久しぶりです」
りあむ「えっ、あっ、はい」
菜々「対戦形式は2人打ちの半荘戦!2人にはそれぞれ対面同士になるように座ってもらいます!そして、挑戦者であるりあむちゃんが起家となります!
そして2人ヘルプが入りますが、彼らはツモ切りで場を回すだけで、対戦には干渉いたしません!」
菜々「それでは、早速卓についていただき……見合って見合って……試合スタート!!」
りあむ「あ、そんじゃ……はい」タン
照「……(前は覗けなかった……でも、あなたの力を今度こそ……!!)」
照魔鏡──そう呼ばれている、宮永照の『能力』
あたかも罪人の人生を見る照魔鏡かのように、対戦相手の力量を『見る』ことができるのだ
しかし……実はこの能力には、宮永照本人も知らない弱点がある
照「……(ダメか)」
対戦相手にイレギュラーな事象があれば、それに阻まれて正確な情報を読み取れない
実は、彼女の妹、宮永咲と相対した時も、照はその全てを見ることがかなわなかった
照「……(だけど私も強くなった……あれから……)」タンッ
りあむ「……うぬぬ……」タンッ
照「……(負けない……今度こそ……!)」
P「ん、どした?」
りあむ「いんや、なんでもない……がんばってくるね、Pサマ」
P「おう、がんばれよ!」
────────
安部菜々「さあやって参りましたまーじゃんサンデー!の人気企画、『プロとの対決!』のコーナーです!司会は私、安部菜々でお送りします!」
菜々「今回のゲストは、私も所属する346プロから新進気鋭のアイドル、夢見りあむちゃんが来てくれましたー!」
りあむ「ど、どうも~!ファンのみんな、楽しみにしてくれてたか~!」
菜々「さあ、対戦してくださるプロは……あの全国の高校生の熱い祭典、夏のインターハイで王者とも呼ばれたあの方です!宮永照プロの登場だー!」
照「よろしくお願いします」営業スマイルニコッ
りあむ「(うっ……もうすごい威圧感……)」
照「……お久しぶりです」
りあむ「えっ、あっ、はい」
菜々「対戦形式は2人打ちの半荘戦!2人にはそれぞれ対面同士になるように座ってもらいます!そして、挑戦者であるりあむちゃんが起家となります!
そして2人ヘルプが入りますが、彼らはツモ切りで場を回すだけで、対戦には干渉いたしません!」
菜々「それでは、早速卓についていただき……見合って見合って……試合スタート!!」
りあむ「あ、そんじゃ……はい」タン
照「……(前は覗けなかった……でも、あなたの力を今度こそ……!!)」
照魔鏡──そう呼ばれている、宮永照の『能力』
あたかも罪人の人生を見る照魔鏡かのように、対戦相手の力量を『見る』ことができるのだ
しかし……実はこの能力には、宮永照本人も知らない弱点がある
照「……(ダメか)」
対戦相手にイレギュラーな事象があれば、それに阻まれて正確な情報を読み取れない
実は、彼女の妹、宮永咲と相対した時も、照はその全てを見ることがかなわなかった
照「……(だけど私も強くなった……あれから……)」タンッ
りあむ「……うぬぬ……」タンッ
照「……(負けない……今度こそ……!)」
17: 名無しさん@おーぷん 19/12/10(火)00:25:44 ID:EoQ
りあむの能力、それは夢見りあむ本人も知らない
だが、ひとつだけわかることがある
それは、彼女が異常に豪運であること
りあむ「……よし、リーチ!」
照「……!(早いッ)」
そもそも、彼女はメンタル面が弱いだけで、かなり幸運な人生を送っているのだ
中学時代、彼女は周りに馴染めずハブられているように感じていたが、実は違う
彼女は自分から遠ざかっていたのだ……気付いていないだけで、他人を拒絶したのは彼女自身だった
高校3年に不登校気味になったのも、それまでの拠り所だった麻雀部を失い、それを埋めるかのようにアイドルの追っかけにハマったからである
snsで炎上するのも完全に自分が悪い、そこに運は関係ない
しかしそういう、自業自得な面を除けば、彼女はとても幸運なのだ
例えば今、宮永照の『照魔鏡』を察知してそこに映らないように、僅かに体をずらし『心臓を隠した』ことも、無意識が生み出した幸運である
りあむ「ロン、3900!」
照「……はい」ジャラ
りあむはそれに気付けない
とても臆病で、自分を信じていないからだ
だから今日も彼女は……
だが、ひとつだけわかることがある
それは、彼女が異常に豪運であること
りあむ「……よし、リーチ!」
照「……!(早いッ)」
そもそも、彼女はメンタル面が弱いだけで、かなり幸運な人生を送っているのだ
中学時代、彼女は周りに馴染めずハブられているように感じていたが、実は違う
彼女は自分から遠ざかっていたのだ……気付いていないだけで、他人を拒絶したのは彼女自身だった
高校3年に不登校気味になったのも、それまでの拠り所だった麻雀部を失い、それを埋めるかのようにアイドルの追っかけにハマったからである
snsで炎上するのも完全に自分が悪い、そこに運は関係ない
しかしそういう、自業自得な面を除けば、彼女はとても幸運なのだ
例えば今、宮永照の『照魔鏡』を察知してそこに映らないように、僅かに体をずらし『心臓を隠した』ことも、無意識が生み出した幸運である
りあむ「ロン、3900!」
照「……はい」ジャラ
りあむはそれに気付けない
とても臆病で、自分を信じていないからだ
だから今日も彼女は……
18: 名無しさん@おーぷん 19/12/10(火)00:28:50 ID:rBZ
おんjでお人形遊びすんな死ね
19: 名無しさん@おーぷん 19/12/10(火)00:42:23 ID:dct
見てるぞ
20: 名無しさん@おーぷん 19/12/10(火)00:45:25 ID:KY9
りあむ上げる為に照弱くするのはおかしい
21: 名無しさん@おーぷん 19/12/10(火)00:51:47 ID:EoQ
照「(……くっ……なぜ、攻め込めない……なぜ攻めに転じられない……なぜ……彼女の力が見えない……)」
りあむ「……(うーん、プロってもこんなもんなのかなぁ……それともぼくがめっちゃつよいとか?)」
りあむ「ツモ、2000・4000」
りあむ「……(それにしても……麻雀ってやっぱ楽しいや)」
……
菜々「なぁんという事でしょうか!あの宮永プロが挑戦者に追い詰められています!そして宮永プロの最後の親番となります!」
りあむ「……(やっべ~ほんとに勝っちゃいそう、びびるわ~)」
照「……(……覗くのはもうやめよう……普通に打って、私が弱いことなんてないのだから)」
照「……(全力で……逆転するッ!)」カッ
照「ロン、1500点」
りあむ「あ、はい」ジャラ
照「ツモ、600オール」
りあむ「……」
照「ロン、2100」
りあむ「……(なんか……宮永さんのスピード……)」
照「ロン、3800」
りあむ「(早くなってない?)」
……
菜々「なんということでしょう!宮永プロ、あっという間に8連チャン!もっとも今回は八連荘役満はありませんが」
りあむ「(……なんか、顔つきがさらに怖く……なってる……うぅ)」
照「……(よし、ここで逆転する……)」ギギ……
りあむ「……!」
照「……(もう少し……!)」ギギギ……
りあむ「あっ(なんかヤバっ)」
照「ツモ」ゴォッ
りあむ「……(うーん、プロってもこんなもんなのかなぁ……それともぼくがめっちゃつよいとか?)」
りあむ「ツモ、2000・4000」
りあむ「……(それにしても……麻雀ってやっぱ楽しいや)」
……
菜々「なぁんという事でしょうか!あの宮永プロが挑戦者に追い詰められています!そして宮永プロの最後の親番となります!」
りあむ「……(やっべ~ほんとに勝っちゃいそう、びびるわ~)」
照「……(……覗くのはもうやめよう……普通に打って、私が弱いことなんてないのだから)」
照「……(全力で……逆転するッ!)」カッ
照「ロン、1500点」
りあむ「あ、はい」ジャラ
照「ツモ、600オール」
りあむ「……」
照「ロン、2100」
りあむ「……(なんか……宮永さんのスピード……)」
照「ロン、3800」
りあむ「(早くなってない?)」
……
菜々「なんということでしょう!宮永プロ、あっという間に8連チャン!もっとも今回は八連荘役満はありませんが」
りあむ「(……なんか、顔つきがさらに怖く……なってる……うぅ)」
照「……(よし、ここで逆転する……)」ギギ……
りあむ「……!」
照「……(もう少し……!)」ギギギ……
りあむ「あっ(なんかヤバっ)」
照「ツモ」ゴォッ
22: 名無しさん@おーぷん 19/12/10(火)00:58:07 ID:EoQ
りあむ「うぇっ……!」
菜々「す、すっごぉ~い!これは、役満!しかも、幻と呼ばれる純正九蓮宝燈だぁ~!!」
照「16800オール」
菜々「この和了りで……逆転ッ!挑戦者、りあむちゃんの点棒も残りわずかです!!」
照「……ふぅ……(限界……かなり体力を使った……)」
りあむ「ぐっ……(マジか……三倍満直撃でも足りない……役満直撃くらいしかない?)」
照「……夢見さん」
りあむ「え?」
照「正直に言って、あなたの力はすごい……他のプロの人と比べても……遜色なく戦っていけると思う」
りあむ「あ、え、そ、そうなんですか?」
菜々「ここでまさかのトークタイム!テレビ的な見どころを気にしてくれる宮永プロ、流石です!いやここまで2人とも静かでしたからねぇ、ええ」
照「(小鍛冶プロを思い出すレベルの……未知の強さ……)あの春から、あなたに対して私は恐れを抱いていた、だけど」
りあむ「……はい」
照「私は負けるつもりは無い、例えあなたの正体がどんなに化け物じみていても」
りあむ「(大げさじゃね……それ)まあ、現に死にかけ……でも、ぼくはプロじゃないし……こんくらい戦えただけで十分でしょ……」ヘラッ
照「十分なんかじゃない」
りあむ「え?」
照「あの春のように……もう一度、あなたの全力を見せてほしい、死力を尽くしてかかってきてください」
りあむ「……は、はあ……(何それ……何それ……ぼくわかんないよ……)」
菜々「す、すっごぉ~い!これは、役満!しかも、幻と呼ばれる純正九蓮宝燈だぁ~!!」
照「16800オール」
菜々「この和了りで……逆転ッ!挑戦者、りあむちゃんの点棒も残りわずかです!!」
照「……ふぅ……(限界……かなり体力を使った……)」
りあむ「ぐっ……(マジか……三倍満直撃でも足りない……役満直撃くらいしかない?)」
照「……夢見さん」
りあむ「え?」
照「正直に言って、あなたの力はすごい……他のプロの人と比べても……遜色なく戦っていけると思う」
りあむ「あ、え、そ、そうなんですか?」
菜々「ここでまさかのトークタイム!テレビ的な見どころを気にしてくれる宮永プロ、流石です!いやここまで2人とも静かでしたからねぇ、ええ」
照「(小鍛冶プロを思い出すレベルの……未知の強さ……)あの春から、あなたに対して私は恐れを抱いていた、だけど」
りあむ「……はい」
照「私は負けるつもりは無い、例えあなたの正体がどんなに化け物じみていても」
りあむ「(大げさじゃね……それ)まあ、現に死にかけ……でも、ぼくはプロじゃないし……こんくらい戦えただけで十分でしょ……」ヘラッ
照「十分なんかじゃない」
りあむ「え?」
照「あの春のように……もう一度、あなたの全力を見せてほしい、死力を尽くしてかかってきてください」
りあむ「……は、はあ……(何それ……何それ……ぼくわかんないよ……)」
23: 名無しさん@おーぷん 19/12/10(火)01:19:49 ID:EoQ
りあむ「……(てかぼくもう逆転って絶望的でしょ……青天点取り合いのルールじゃなかったらさっきのでトビだし)」
りあむ「……(あー……ええい、もうやけだ!)」
ヤケを起こした人間は恐ろしい、というのは、『何をするかわからないから恐ろしい』ということだ
だが、この夢見りあむは、ヤケを起こした時、『何かをやってくれるから恐ろしい』
ふとすれば言葉のあや程度のことだが、途轍もない異常すらも起こしうる、常人を超えた何か
それは奇跡、圧倒的な運気の支配による絶対豪運がもたらす奇跡
彼女がプロデューサーと出会いスカウトされた時も、総選挙で3位になった時も、あっという間に彼女の曲ができた時も
それは気分が底まで落ち込んで、やけっぱちな気分になった時だった
もはやそれは能力じゃない
何か、絶対的な何かに愛されているのだ
照「……(やはり9本場を超えたらあまり振るわない……)」
りあむ「……(上がれる気がしね~もうやむよ~めっちゃやむ……あ、テンパった)」
りあむ「あれ、流局か、テンパイ」
照「……ノーテン」
りあむ「……(あれ、このノーテン罰符で……役満直撃すればギリギリ逆転できる?……っていやいや)」
照「……(嫌な感じ……いや、まさか……)」
りあむ「……(さあ、オーラスか……もうテキトーにやろ)」
実際、夢見りあむはかけらも勝てると思っていない
奇跡のような役満を見せつけられ、自分の甘さや弱さを思い知らされたからだ
その表情は暗く、沈みこんでいた
りあむ「……(あー……ええい、もうやけだ!)」
ヤケを起こした人間は恐ろしい、というのは、『何をするかわからないから恐ろしい』ということだ
だが、この夢見りあむは、ヤケを起こした時、『何かをやってくれるから恐ろしい』
ふとすれば言葉のあや程度のことだが、途轍もない異常すらも起こしうる、常人を超えた何か
それは奇跡、圧倒的な運気の支配による絶対豪運がもたらす奇跡
彼女がプロデューサーと出会いスカウトされた時も、総選挙で3位になった時も、あっという間に彼女の曲ができた時も
それは気分が底まで落ち込んで、やけっぱちな気分になった時だった
もはやそれは能力じゃない
何か、絶対的な何かに愛されているのだ
照「……(やはり9本場を超えたらあまり振るわない……)」
りあむ「……(上がれる気がしね~もうやむよ~めっちゃやむ……あ、テンパった)」
りあむ「あれ、流局か、テンパイ」
照「……ノーテン」
りあむ「……(あれ、このノーテン罰符で……役満直撃すればギリギリ逆転できる?……っていやいや)」
照「……(嫌な感じ……いや、まさか……)」
りあむ「……(さあ、オーラスか……もうテキトーにやろ)」
実際、夢見りあむはかけらも勝てると思っていない
奇跡のような役満を見せつけられ、自分の甘さや弱さを思い知らされたからだ
その表情は暗く、沈みこんでいた
24: 名無しさん@おーぷん 19/12/10(火)01:32:03 ID:EoQ
照「……!(濃い対子場……)」
りあむ「……っ(なんか……)」
照「……(手牌が異様に縦に伸びる……この状況、もしかして向こうも……)」
りあむ「……(おっそろしいことになって来てる……)」
照「……(でも、惜しい……これだけ引いてもテンパイに届かない)」
りあむ「……(だったら……狙ってみるか……)」
照「……(そういえば……あの時もこんなふうだった……終始、牌に異様な偏りがあった……)」
りあむ「……ぐっ……」
照「(この牌の偏りが偶然でないとしたら……これが夢見さんの……正体の一端……?)」
りあむ「うう……む……」
照「……(もし……これで負けるとしたなら……)」
菜々「2人の顔がどんどん険しくなっていきます……!このオーラス、なんという緊張感でしょうか……!」
照「……(いったい、どうなっている……向こうの手牌は、いったい……)」
りあむ「……くっ」タァン
照「……!(ツモ切りッ……!!)」
りあむ「……っ(なんか……)」
照「……(手牌が異様に縦に伸びる……この状況、もしかして向こうも……)」
りあむ「……(おっそろしいことになって来てる……)」
照「……(でも、惜しい……これだけ引いてもテンパイに届かない)」
りあむ「……(だったら……狙ってみるか……)」
照「……(そういえば……あの時もこんなふうだった……終始、牌に異様な偏りがあった……)」
りあむ「……ぐっ……」
照「(この牌の偏りが偶然でないとしたら……これが夢見さんの……正体の一端……?)」
りあむ「うう……む……」
照「……(もし……これで負けるとしたなら……)」
菜々「2人の顔がどんどん険しくなっていきます……!このオーラス、なんという緊張感でしょうか……!」
照「……(いったい、どうなっている……向こうの手牌は、いったい……)」
りあむ「……くっ」タァン
照「……!(ツモ切りッ……!!)」
25: 名無しさん@おーぷん 19/12/10(火)01:34:58 ID:dct
ふむ
26: 名無しさん@おーぷん 19/12/10(火)01:39:47 ID:EoQ
菜々「徐々に……徐々に底が見えてきました……長かったこの半荘に、いよいよ終止符が打たれようとしています」
照「……(鳴けもせず、進みもせず……だけど手牌に熱がこもっていく……向こうは……夢見さんがこれをやっているなら……夢見さんの手は……)」
りあむ「……ラス牌ッ!!」グッ
照「っ……!!(どうなっている!?)」
りあむは……豪運により、圧倒的なチャンスを得た
それが、牌の偏りと、ツモ牌の有効性
それらが複雑に重なり合い、上手く宮永照の手を潰し、りあむの手は育っていった
だが、それは無意識の強さなのだ
感知できれば意識もできよう、コントロールだってできるはずだ
しかしそれができない
持って生まれた意志の薄弱さによって……
りあむ「……」
照「……(どうなる……いったい、どうなる……!?)」
人為的ミス、自業自得による失敗
それは、豪運をもってしてもどうしようもない
運は、所詮無意識の領域において作用するもの
己の意思が左右するものへは、あまりにも無力
夢見りあむは、つまるところ、無能力者である
照「……(鳴けもせず、進みもせず……だけど手牌に熱がこもっていく……向こうは……夢見さんがこれをやっているなら……夢見さんの手は……)」
りあむ「……ラス牌ッ!!」グッ
照「っ……!!(どうなっている!?)」
りあむは……豪運により、圧倒的なチャンスを得た
それが、牌の偏りと、ツモ牌の有効性
それらが複雑に重なり合い、上手く宮永照の手を潰し、りあむの手は育っていった
だが、それは無意識の強さなのだ
感知できれば意識もできよう、コントロールだってできるはずだ
しかしそれができない
持って生まれた意志の薄弱さによって……
りあむ「……」
照「……(どうなる……いったい、どうなる……!?)」
人為的ミス、自業自得による失敗
それは、豪運をもってしてもどうしようもない
運は、所詮無意識の領域において作用するもの
己の意思が左右するものへは、あまりにも無力
夢見りあむは、つまるところ、無能力者である
27: 名無しさん@おーぷん 19/12/10(火)01:57:51 ID:EoQ
りあむ「……ダメだった」てしっ
照「……えっ」
りあむは確かに、恐ろしき何かに愛されたかのような運を操作している
しかし、無意識下においてである
自身の行動から出た結果を操作できるような、超能力めいた支配力はない
りあむ「ふぅ~……」
りあむは、待ちにおいて失敗した
しかし、それは通常ならば失敗とは判断できない失敗
りあむの手は、字一色・大四喜・四暗刻単騎のテンパイ、待ちは『白』であった
しかし、字一色に取らずに単騎を入れ替えていれば、途中で直撃を取れる可能性はあったのだ
ダブル役満を直撃すれば勝っていた
しかし夢見りあむは、最後の最後に調子に乗りロマンを追いかけたために負けた
りあむ「……ありがとうございました」
照「ありがとうございました」
菜々「決着ゥーーー!!!最後はとても惜しかった!なんという戦いでしょうか!番組始まって以来のハイレベルな戦いとなりました!!」
りあむ「いや~やっぱり負けちった」
照「……夢見さん、あなたはプロになる気はありませんか?」
りあむ「えっ?」
照「あなたの強さは、間違いなくプロの中でもやっていけるくらいです」
りあむ「えっ、と……それは……」
照「……えっ」
りあむは確かに、恐ろしき何かに愛されたかのような運を操作している
しかし、無意識下においてである
自身の行動から出た結果を操作できるような、超能力めいた支配力はない
りあむ「ふぅ~……」
りあむは、待ちにおいて失敗した
しかし、それは通常ならば失敗とは判断できない失敗
りあむの手は、字一色・大四喜・四暗刻単騎のテンパイ、待ちは『白』であった
しかし、字一色に取らずに単騎を入れ替えていれば、途中で直撃を取れる可能性はあったのだ
ダブル役満を直撃すれば勝っていた
しかし夢見りあむは、最後の最後に調子に乗りロマンを追いかけたために負けた
りあむ「……ありがとうございました」
照「ありがとうございました」
菜々「決着ゥーーー!!!最後はとても惜しかった!なんという戦いでしょうか!番組始まって以来のハイレベルな戦いとなりました!!」
りあむ「いや~やっぱり負けちった」
照「……夢見さん、あなたはプロになる気はありませんか?」
りあむ「えっ?」
照「あなたの強さは、間違いなくプロの中でもやっていけるくらいです」
りあむ「えっ、と……それは……」
28: 名無しさん@おーぷん 19/12/10(火)02:06:06 ID:EoQ
照「あなたの力の根源がどんなものか見当もつかない……これは大変な驚きです、私にとって……」
りあむ「……」
照「もっとあなたと打ってみたい」
りあむ「……えっ、と……プロになるってのはちょっと……できない、です」
照「……そうですか……すみません、変なことを言って」
りあむ「い、いや、これは、麻雀打つのが嫌ってことじゃなくて……今の、アイドルがやっぱり……楽しいから」
照「そうですか……ありがとうございます、気持ちを聞かせてくれて」
りあむ「で、でも……」
照「?」
りあむ「ぼくってマジでプロで戦えちゃうの?もしかしなくてもぼくってやっぱ天才?」
照「え……」
りあむ「いや~そんなら今度またこの番組出ちゃおっかなぁ~なんてったってぼくって『プロより強い』し」ヘラヘラ
照「ちょ、そ、そこまでは」
菜々「ちょ、りあむちゃん!その発言はちょっと大胆すぎますよ~!」
りあむ「あっやばい?もしかして誰かを怒らせちゃう?」
りあむはその後、無事に炎上した
りあむ「……」
照「もっとあなたと打ってみたい」
りあむ「……えっ、と……プロになるってのはちょっと……できない、です」
照「……そうですか……すみません、変なことを言って」
りあむ「い、いや、これは、麻雀打つのが嫌ってことじゃなくて……今の、アイドルがやっぱり……楽しいから」
照「そうですか……ありがとうございます、気持ちを聞かせてくれて」
りあむ「で、でも……」
照「?」
りあむ「ぼくってマジでプロで戦えちゃうの?もしかしなくてもぼくってやっぱ天才?」
照「え……」
りあむ「いや~そんなら今度またこの番組出ちゃおっかなぁ~なんてったってぼくって『プロより強い』し」ヘラヘラ
照「ちょ、そ、そこまでは」
菜々「ちょ、りあむちゃん!その発言はちょっと大胆すぎますよ~!」
りあむ「あっやばい?もしかして誰かを怒らせちゃう?」
りあむはその後、無事に炎上した
29: 名無しさん@おーぷん 19/12/10(火)02:12:49 ID:dct
草
30: 名無しさん@おーぷん 19/12/10(火)02:14:44 ID:EoQ
りあむ「いや~失敗失敗、わはは」
P「……正直、最後の発言に全てを持ってかれた感があるな」
りあむ「……ごめんなさいPサマ……」
P「SNSでもあの『プロより強い』発言がめちゃくちゃ取り沙汰されてるし」
りあむ「いや……まあ、あれは……言葉のあやっていうか……」
あきら「# そういうとこだぞ」
りあむ「ぐへぇ!」
あかり「ほんっと調子乗りんごだよねぇ……」
りあむ「うごごご……みんなが辛辣……」
P「まあ、数字が悪くなかったのと、対局中の宮永プロが口数多いのが珍しいってんで……」
りあむ「んで?」
P「また出ないかって誘いがあった」
りあむ「うぅ~もう麻雀はしばらくこりごりだぁ~めっちゃやむ!」
おわり
P「……正直、最後の発言に全てを持ってかれた感があるな」
りあむ「……ごめんなさいPサマ……」
P「SNSでもあの『プロより強い』発言がめちゃくちゃ取り沙汰されてるし」
りあむ「いや……まあ、あれは……言葉のあやっていうか……」
あきら「# そういうとこだぞ」
りあむ「ぐへぇ!」
あかり「ほんっと調子乗りんごだよねぇ……」
りあむ「うごごご……みんなが辛辣……」
P「まあ、数字が悪くなかったのと、対局中の宮永プロが口数多いのが珍しいってんで……」
りあむ「んで?」
P「また出ないかって誘いがあった」
りあむ「うぅ~もう麻雀はしばらくこりごりだぁ~めっちゃやむ!」
おわり
31: 名無しさん@おーぷん 19/12/10(火)02:19:10 ID:dct
お通夜で!
ほな…また…
ほな…また…